近所のスーパーでちょっと気にかかる場面に遭遇しました。
私の目の前で2組の来店客がすれ違いざまにぶつかったのですが、一組は韓国もしくは中国と思しきアジア系の観光旅行者風の3,40代の女性客2人、そしてもう一組はこちらも同じく3,40代の母親らしき女性と小学校低学年と思 われる女の子の2人連れでした。
すかさず女の子の方が、「ごめんなさい」と謝ったところ、一緒にいた母親らしき女性が彼女に向かって、
「謝ったってしょうがないわよ。日本語わからないんだから。」と言いました。
私はこの言葉に一瞬釘付けになりました。
そして、これを言われた女の子はどう思ったのか。
この言葉に対し最初に私が解釈したのは、“言葉のわからない人に何を言っても意味がない=申し訳ないという心も伝わらないし、伝えようとする必要もない。意味の ないことはしなくていい”という文意でした。
帰りの道すがら、この言葉が頭から離れず色々考えていたのですが、ふと、もしかすると、
“言葉がわからないから、こちらがあやまったかどうかもわからないはず。何か言葉を発したことが、もしかすると相手には文句(いちゃもん)を言われたとと られ、危害が及ぶかもしれないから気をつけなさい”という可能性もあるなと。
いづれにしても今の世の中、親切心からしたことで逆切れされ殺されたり、警戒されていやな思いをしたりと、心が相手に伝わりにくいことが多いです。
ですから、そういう事件を聞くたび、とてもさびしいことですが、わが身を守る対処法として、なんにせよ関わらないのが一番という考えになるのも場合によっては仕方がないのかなと思ったり。
先日も、母が家の前に落ちていたお財布を交番に届けた際、持ち主が見つかった場合、(母の)連絡先を教えても良いかと聞かれ教えたけれど、今はわざわざそ んなこと確認するのねと話していました。
確かに以前は普通に拾得者として相手に連絡先を伝え、落とし主が見つかった場合、落とし主が拾得者に御礼の連絡をするというのは当たり前でしたし、むしろ警 察官から、(拾得者に)一言お礼をいれてあげてくださいねと促された記憶があります。
でも、最近はそうではなくなっているようですね。
言われてみれば、私も昨年末同じようにお財布を拾い、交番に届けたことがあったのですが、その際、相手に連絡先を教えてもいいかと聞かれ、辞退したのを思 い出しました。それはやはり、見知らぬ人に下手に連絡先を教え、万一その相手が変な人だったりして面倒なことに巻き込まれたらイヤだなという警戒心が働い たからだと思います。
また、こんな話もありました。
知り合いの男性が住んでいたマンションのエレベーターに乗り、ドアを閉めようとした際、女性が走ってきたのでそれを待って、どうぞと声をかけたら、結構です とにらまれたそうです。
これも私がその男性をよく知っているからそれはショックよねと言えますが、もし自分がその女性の立場だったら、やはり自分も同乗しなかったかもしれないなと思い ました。
実際、同じような状況下、エレベーター内での強姦や強盗事件の被害は頻繁に報道されています。
“人の親切心”を悪用した犯罪が後を絶たない時代ゆえ、本物の親切心も伝わらないし、受ける側も素直に受け入れにくいという現実はとても悲しいことですね。
とはいえ、やはり何かことが起こってからでは遅いですから、自分の身は自分で守るしかないですし・・・複雑。
果たしてあのお母さんが発した言葉の真意は何だったのでしょう。
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無題
2008/02/13(Wed)13:32
No.1|by シリウス・マハナンダ|
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